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交際費とは


前回、『交際費等の損金不算入制度』を取り上げましたが、
では交際費等とはどのようなものを言うのでしょうか。


税務上の交際費等とは、
『法人がその得意先、仕入先、その他の事業に関係のある者等に対する
 接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用』
をいいます。

上記に該当するものは○○費といった名目ではなく、
接待等の行為に対する支出かという実質で交際費等と判断されるので注意が必要です。
(そのため、「等」と付くのです)

イメージとしては、会社の業務に関係のある人との親睦を深め、
取引関係を円滑にしたりといった目的の為に支出するものが該当します。
世間一般に言われる交際費と税務上の交際費等はほとんど同じと思って差支えないでしょう。


一般的にイメージしづらい点としては、相手先の『その他の事業に関係のある者等』の部分です。
ここには直接の取引関係のある者だけでなく、間接に利害関係のある者や
その会社の役員・従業員・株主なども含まれます。
もちろん、現在は取引関係がなくても、今後取引をしてもらいたいと思っている相手に対する
接待等のための支出も交際費等に含まれます。


交際費は税法上の他の規定(寄附金、広告宣伝費、給与など)との区別が難しく、
非常にグレーゾーンが多い費用の一つです。
国税庁のHPでは交際費になるもの・ならないものの例示を多数挙げていますが、
当然に全ての事例を網羅できている訳ではないので、実務上も解釈が非常に困難となっています。

税務調査で大部分を否認されるという話も少なくありません。


特に中小企業の場合は、社長が会社のお金を全て握っていることが多いので、
会社の事業に無関係な支出があると全て社長の個人的な出費(=社長に対する給与)と考えられてしまいます。
給与とされてしまうと全額が会社の損金にならず、かつ社長個人の所得となってしまい、
さらには消費税や地方税の負担も増えることにも繋がります。

ぞっとした方もいるのではないでしょうか・・・。


そのようなことを防ぐためにも、交際費になる、または交際費ではないと説明するために

①その支出の相手が誰か
②どのような目的での支出か(取引関係の継続のため、従業員の慰安のため等)
③どのような行為に対する支出か(接待や贈答か、商談の費用か等)

を帳簿書類に記載して保存しておくようにしましょう。
これで当然に認められるというものではありませんが、
いざという時にどのような費用か説明できるようにするためにも、詳細な記録を残しておくことが重要です。


※ 上記は、記事作成日現在の法令に基づいた取扱いになります。


2010年3月18日

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