会社の資本金
会社の資本金とはどのようなものかご存じでしょうか?
資本金はよく会社の「もとで」と説明されます。
株式会社の場合、会社設立時に出資者が会社にお金を渡し、株式を取得します。
これで出資者は株主となり、会社の所有権を得るのです。
この時に出資したお金が会社では資本金と呼ばれています。
資本金は事業を始める上で一番最初に会社の資金源となるもので、会社の規模や資金力・安定性などを計るためにも使われます。
また、会社が新しい事業に参入するときなどには、資本金を増やすこともあります。(これを増資といいます)
資本金は会社が株主から「預かった」お金ですが、借金のように返済する必要がありませんので、一般的に資本金が大きい会社ほど安定性が高いと言われます。
では、なぜ資本金が大きいと会社の安定性が高いと言われるのでしょうか?
例えば、①資本金500円で事業を行う会社 と ②借入金500円で事業を行う会社 があったとします。
2社ともに250円で商品を2個仕入れ、1個を400円で売ったとすると、
①の会社も②の会社も利益は150円(=400円-250円)となります。
この時、それぞれの会社の財産状況は下記のようになります。
【①の会社】 【②の会社】
現金 400円 現金 400円
商品 250円 商品 250円
資本金 500円 借入金 500円
利益 150円 利益 150円
もしこの時点で借入金の返済日が来たらどうでしょう?
②の会社は現金が無いので借入金を返済することができず、倒産することになってしまいます。
これが代表的な黒字倒産の例です。
一方、①の会社は返済は必要ないので、引き続き事業を営んでいけます。
極端な例ですが、これが資本金が大きいと会社の安定性が高いと言われる理由です。
上記のように、資本金は会社の信用力の目安にも使われますので、資本金を決める際は将来の銀行・他企業との付き合いなどを踏まえた上で決めるようにしましょう。
当然、資本金を後で増やすこともできますが、登記等の費用がかかりますので・・・。
なお、資本金を減らして株主に戻すこと(これを減資といいます)もできますが、株主は銀行などの債権者と違い株主総会を通して経営に参加できる分有利な立場にあるので、債権者を守るために厳格な手続きが定められています。
会社を清算しない限りは、一度会社に入った資本金を戻すことはできないと思っておいた方がいいでしょう。
2010年10月12日