【震災関連】 支援者(法人)の税務上の取扱い
震災に関わる税務上の取扱いの詳細をお知らせします。
こちらでは、直接の被災者ではない、主に支援する側の法人の取扱いや申告の際の注意点などをまとめています。
3月決算の会社は震災発生直後に決算日を迎えたため、
今回の確定申告に関わることもありますのでお早めにご確認ください。
また、今後の支援等を行う上での参考にしてください。
① 寄附金の損金算入
□ 国や地方公共団体、または日本赤十字社や中央共同募金会などに
義援金等を寄付した場合は、全額が損金となります。
□ 実際に支払った時に損金計上され、未払金として経理することはできません。
□ 領収書・預り証などの書類を保存し、確定申告時に明細書を作成することが必要です。
□ 報道機関などで受け付けている義援金についても、
最終的に上記の義援金となることが明らかなものは同様に取り扱われますが、
そのことが分かる書類(HPをプリントアウトしたものや新聞記事など)の保存が必要です。
□ 上記以外の団体(公益法人など)に対する義援金等は
損金算入限度額の範囲内で損金に算入されます。
② 自らが募金の取りまとめ団体となる場合
□ 最終的に国等に拠出されることについて税務署の確認を受ける必要があります。
□ 支払った方が①の適用を受けるために、預り証等の作成も必要になります。
□ 領収書・預り証などの収入印紙は不要です。
③ 同業団体等への分担金
□ 同業者団体(協会、連盟など)の構成員の災害による損失を補填するため、
日本○○協会などが全国の構成員から分担金を集める場合、
その分担金は全額が支払った日の損金となります。
④ 従業員への災害見舞金
□ 全従業員に対して被災した程度に応じて支給されるものであるなど、
各被災者に対する支給が合理的な基準に基づく災害見舞金は、
一般的な額であれば福利厚生費として扱われます。
□ 従業員の家族や既に退職した元従業員、採用内定者などに対する支給も同様に取り扱われます。
□ 専属下請先の従業員やその家族などに対するものであっても同様です。
⑤ 取引先に対する災害見舞金
□ 被災した取引先に対する災害見舞金は、被災前の取引関係の維持・回復を目的として
支出されるものは交際費等とはならず、全額が損金となります。
□ 取引先の復旧期間中に支払うことが必要です。
□ 取引先の役員や使用人に対して個別に支出する災害見舞金は、
個人事業主に対するものを除き、交際費等として取り扱われます。
□ ただし、専属下請先の従業員等に対するものは、④の取扱いになります。
⑥ 取引先に対する売掛金の免除
□ 災害を受けた取引先の復旧支援のために売掛金等の債権を免除した場合の損失は、
寄附金や交際費等とはならずに全額が損金となります。
□ 取引先の復旧期間中に行うことが必要です。
⑦ 低利・無利息融資
□ 災害を受けた取引先の復旧支援のために低利又は無利息による融資をした場合は、
正常な取引条件に従って融資が行われたものとして取り扱われます。
□ 通常の利息との差額は、寄附金とは取り扱われません。
□ 災害発生後相当の期間内に融資が行われることが必要です。
⑧ 自社製品の提供
□ 不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、
寄附金や交際費等とはならずに損金となります。
□ 特定のごく限られた者のみに対する自社製品の提供は、寄附金又は交際費等に該当します。
□ 関係者がいる特定の避難所に対して行う自社製品の提供であっても、
多数の被災者に対して提供する場合は損金となります。
□ 自社の製品等を取り扱っている小売業者に対し、災害により滅失又は損壊した
自社製品と同種の商品を無償で交換又は補てんした場合も同様となります。
⑨ ボランティア活動中の人件費
□ 自社の社員を災害復旧活動にボランティアとして派遣した場合の、
ボランティア活動中の給与は寄附金には該当しません。
上記は一般的かつ最低限の説明のみですので、個別具体的なご相談は当事務所までお気軽にご連絡ください。
お問い合わせはこちらまで
2011年4月11日