税制改正情報 ~定率法の償却率等の見直し~
唐突ですが、減価償却はご存じでしょうか?
工場の設備など何年も使える資産を購入したときに、
一度に費用にはせずに、使用できる期間(耐用年数と言います)にわたって
徐々に費用にしていくという制度を減価償却と呼びます。
税法上は償却限度額という「費用にできる枠」が決まっていて、
毎年その枠までしか費用にできないのです。
その償却限度額を計算する際には定額法や定率法と呼ばれるいくつかの方法があるのですが、
この4月1日以降に取得した資産から、"定率法"の償却率が変わりました。
耐用年数の期間で購入金額の全額を費用にできる点は変わらないのですが、
例えば、100万円の資産を買ってこれまでは初年度に25万円を費用にできるものがあったとしますと、
改正によって費用にできる金額が20万円までとなりました。(※)
定率法のメリットとして、"早期に多くの金額を経費化できる"という点がありますが、
今回の改正によってその効果が薄くなってしまったということですね。
法人が使用する資産は税務署に届出をしていなければ、建物以外は自動的に定率法になります。
個人の方は税務署に届出をしていなければ定額法になるので、この改正は関係ありません。
この改正は原則として平成24年4月1日以後に取得した資産から適用されますが、
特例として、個人の方は平成25年1月1日以後に取得した資産から、
法人は平成24年4月1日以後に開始する事業年度の初日(例:6月末決算法人の場合、7月1日)
以後に取得した資産から上記の改正が適用されることとなっています。
定率法を使う資産を購入予定の場合はご注意ください。
※便宜上、単純化した説明となっています。
実際はもう少し複雑な方法で計算しますので、個別具体的な内容についてはご相談ください。
(小泉)
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2012年4月25日